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【日本全国の伝統あるせんべい銘菓 その①】


日本は各地に独特の文化と歴史を持ち、それぞれの地域に根付く伝統的なせんべいが存在します。今回は、日本各地から選りすぐった伝統あるせんべい銘菓を第一弾としてまとめてみます。長い歴史を持ち、地元民に愛され続けてきたこれらのせんべいは、その地域の味わいと文化を感じさせてくれます。さまざまな種類のせんべいを通して、日本の豊かな食文化の一端を垣間見えてきますね。





草加せんべい(埼玉県)

江戸時代、草加宿で蒸した米をつぶし、干して塩をまぶして焼いたものが起源。旅人向けの商品として売り出され、各地に広まった。日光街道「草加」の名物になった理由は、良質の米・良質の水・良質の醤油が身近にあったためといわれ、さらに永い伝統により熟練された製造方法で造られ、長い日光街道の間食としても好まれ、値段も手ごろで軽量であったことによる。


南部せんべい(八戸地方・岩手県北地方)

八戸地方・岩手県北地方で広く食べられている「南部せんべい」。うるち米ではなく、小麦粉と塩と水を混ぜて練った生地を、丸い鋳型で焼いた、素朴で味わい深い煎餅。小松シキが幼少の頃に奉公先で煎餅焼きを覚えたのが南部せんべいのはじまり。シキは 54年もの間、せんべい焼き一筋の人生を歩んだ。


ぬれせんべい(千葉県銚子市)

生地のなかにまでタレが染み込んだ失敗作せんべいがぬれせんべいの始まり柏屋二代目横山雄次が手焼きの技術を継承し、昭和三十五年頃から『おまけ』として頒布した。 口伝えで徐々に広まって商品名『ぬれせん』として商標登録。


瓦せんべい(兵庫県神戸市・香川県高松市)

それぞれに起源の説明がされ、"元祖"を名乗る製造業者がある。 神戸では亀井堂総本店が"元祖"とされ、創業者の松井佐助が1873年に開港地だった神戸の特性を生かして開発したもので、瓦の形状は趣味の瓦収集に由来すると説明している。高松では、くつわ堂の「瓦せんべい」が生まれたのは1877(明治10)年。 別名「玉藻城」とも呼ばれる高松城の瓦をモチーフにし、特産の和三盆を使って焼き上げられた鶏卵煎餅。瓦は、建物の上に据えられ何かを「守る・象徴する」という意味をもち、瓦せんべいは、屋根瓦と同様、会社や家の象徴であるロゴや家紋を焼き印し、それらが「堅固で繁栄する」という願いを込めて作られたお菓子だとされている。


炭酸せんべい(兵庫県有馬温泉)

温泉地発祥せんべい。湯の山温泉の炭酸泉を生地に入れて作っていたのが名前の由来炭酸泉源の炭酸泉を利用して焼き上げていたことからこの名がついた。 現在は衛生上の理由でその水は使用していないが、炭酸水を用いているのはネーミングどおり。兵庫県の「炭酸せんべい」は原材料に小麦粉に甘味を加えた甘味煎餅である。他には磯部煎餅(群馬県磯部温泉)、湯せんぺい(長崎県雲仙温泉)等がある。


八百津せんべい(岐阜県)

やおつせんべいと読む。岐阜県八百津町の小麦・砂糖・玉子を主原料とする和風なクッキーといった感じの素朴で伝統的なせんべい。落花・玉子・生姜・ミニ鉱泉・焼きザラメなどを使用した詰め合わせも人気の銘菓。


二○加煎餅(福岡県)

明治39年発売のロングセラー煎餅。博多の郷土芸能「博多仁和加」のお面をモチーフにしたデザインが特徴。東雲堂「にわかせんぺい」と読む。かぶって食べて日本一ともいえるインパクトの煎餅。博多の郷土芸能「博多仁和加(にわか)」で使われるユーモラスなお面をかたどった甘い煎餅。


ゆかり(愛知県)

1枚に約7尾の天然海老を使用し、独自の二度焼き製法で作られる。愛知県東海市の坂角総本舗の看板商品。 漁師が浜で焼いて食べていた海老はんぺいがルーツで、これを気に入った尾張藩の殿様が取り寄せ、その流れをくんで高級贈答品の地位を確立した。名称には縁つなぎの意味が込められている。


たやき(三重県)

伊賀名物 「元祖かたやき 青のり超大判」 伊賀菓庵山本が造るかたやきせんべいは、 日本一堅いと知られている。伊賀忍者が屋敷裏や床下、物置に隠れ忍ぶ際の携帯食料とされた。 忍者が日常身に付けて速やかに活動するために、かさを小さく丸め、堅く焼き、密度の濃い必要があった。余談だが、関東にも、日本一堅いせんべいはある。東京都江東区「深川不動堂」の老舗煎餅店の超厚焼「極堅深川」。


粟おこし(大阪府)

粟(アワ)を使った伝統的なせんべい。砕いた米に水飴等で作ったシロップやゴマなどを混ぜて固めたもの。 名称に「粟」と付くのは粟粒ほどの大きさになるまで米を砕いていることに由来する。縁起の良いお菓子としても知られる。

※江戸銘菓、浅草寺「雷おこし」名称・形状ともに似ていますね。また調べます。



まとめ

紹介した「日本全国の伝統あるせんべい銘菓」は、日本各地の豊かな食文化とその地域ごとの特色を反映したせんべいたちです。古くから伝わる製法や独特の風味、地域ごとの歴史や物語が込められたこれらのせんべいは、日本全国の多様性と食の伝統の深さを教えてくれます。旅行の際のお土産選びや、日本の食文化に興味がある方への参考にしていただければ幸いです。



えみり堂

〒651-0801

兵庫県神戸市兵庫区中道通7丁目3-7

【営業時間】 10:00〜17:00

【定休日】 日・祝日・年末年始



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